公的年金担保融資でお金を借りるには?

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公的年金受給中にお金が借りられる?急な出費に公的年金担保融資

年金受給者のための年金を担保にした融資制度があることはご存知でしょうか。公的年金担保制度は各種年金を担保に融資することが法律で認められた唯一の制度です。

対象となるのは国民年金、厚生年金、労働者災害保険の年金の受給者です。介護福祉、保健医療、冠婚葬祭、住宅改修など一時的に必要となった小口の資金にあてることを目的に貸し付けられます。

例えば、入院や手術費用、介護用器具の購入費用、事業維持のための費用はもちろん、家賃や光熱費、税金の滞納費用も借り入れ対象となります。

融資の限度額は10,000円単位で100,000円~2,000,000円ですが、生活必需品購入を目的とする場合は100,000円~800,000円です。

限度額の範囲内で、受給している年金から源泉徴収額を除いた額の0.8倍以内かつ、1回あたりの返済額の15倍以内で融資限度額が決定されます。限度額決定のための返済期間は、融資額の元金相当額をおおむね2年6か月で返済するスケジュールで計算されます。

要件の範囲内で借り入れ者が希望する額が融資限度額となります。

返済は、借り入れ者の年金支給機関から、貸付者である独立行政法人福祉医療機構が直接受け取ります。したがって、返済が完了するまでは返済額を除いた年金額しか受け取ることができません。

公的年金担保融資は年金の受給者が対象ですので、生活保護などを受給している場合は融資を受けることはできません。

借り入れができるのは?

公的年金担保融資は、公的年金を現在受給している人を対象にした貸付制度です。

利用できるのは、国民年金、厚生年金保険年金、船員保険年金、を受給している人です。厚生年金基金や、確定給付企業年金などは融資の対象になりません。また老齢福祉年金や、特別障害給付金も対象とはなりません。

労働者災害補償保険年金を受給している場合は公的年金担保融資の対象となりますが、石綿健康被害救済法に基づく特別遺族年金は対象外です。

公的年金担保融資の対象とならない場合は、ほかの実施機関による融資・給付制度がありますので調べてみるとよいでしょう。

担保と利率

公的年金担保融資は名称通り、年金を担保に貸し付けられます。融資をうける場合は、借り入れ申し込み時に取扱い金融機関に年金証書を預けます。

なお、年金受給の権利は、公的年金担保融資を実施する独立行政法人福祉医療機構からの借り入れをする場合以外は、譲り渡したり、担保にすることは法律で禁止されています。

公的年金担保融資の融資利率は、平成30年10月現在で年金担保融資の場合は2.8パーセント、労災年金担保融資の場合は2.1パーセントとなっており、一般の貸付より有利な利率に設定されています。

公的年金担保融資は年金支給機関から直接、独立行政法人福祉医療機構に返済される仕組みが採用されており、信用が高いため低利率で貸し付けが行われていると考えられます。

公的年金担保融資がうけられないのは

公的年金担保融資の借り入れを受給できないのはどんな場合でしょうか。

公的年金担保融資は年金を担保にしていますので、年金を受給していない人は融資を受けることができません。

生活保護の受給者は融資がうけられません。過去に公的年金担保融資を受けていて、利用中に生活保護を受給した場合で、生活保護を廃止してから5年を経過していない場合は公的年金担保融資を受けられません。

なんらかの理由で年金の支給が停止されている場合や、同一の年金で借入金残高がある場合も融資を受けることができません。

公的年金担保融資の借り入れ金の使途がギャンブルなど投資性の高いものや、公序良俗に違反する場合なども融資が受けられません。反社会的勢力に該当する方や、反社会的勢力と関係のある方は融資対象にはなりません。

そのほか、独立行政法人福祉医療機構の定めによって融資がうけられない場合もあります。

公的年金担保融資制度は閣議決定により平成34年3月末で申し込み受付が終了します。申し込み受付終了期日をまたいで返済期限が設定されている場合の、返済期限の変更などはありません。利用に際する取り扱いについて、一部変更がありますのでご注意ください。

公的年金担保融資、申し込みから借り入れまで

公的年金担保融資の申し込みから返済まで実際の方法についてみていきます。

最初に、独立行政法人福祉医療機構年金貸付課または取扱い金融機関に相談します。

公的年金担保融資の貸し付け申し込みは、現在年金の受け取りをしている銀行や信用金庫などの店舗で行います。ゆうちょ銀行や農協、労働金庫は取扱いをしていません。「独立行政法人福祉医療機構代理店」と表示された金融機関で受け付けています。

独立行政法人福祉医療機構代理店ではない金融機関で年金を受け取っている場合は、年金担保貸付の申し込みをする前に、取扱い金融機関に年金受給窓口を変更する必要があります。年金受給窓口の変更には、取扱い金融機関で新口座を開設し、年金受給窓口の変更手続きを行います。それぞれの手続きに日数がかかりますのでご留意ください。

独立行政法人福祉医療機構代理店での申し込み締め切り日と融資予定日のフローは、ホームページまたは取扱い金融機関でご確認ください。

申し込みには、現在の年金支給額を証明する書類が必要です。

国民年金・厚生年金保険を受給している場合は年金払い込み通知書や、年金支払通知書、年金決定通知書などをご準備ください。労働者災害補償保険を受給している場合は、支給決定通知書や、スライド等による変更決定通知書などが必要です。

実印と発行三か月以内の印鑑証明、本人であることが確認できる運転免許証やパスポートなど有効期限内の写真付き証明書をご用意ください。あわせて、資金の使途を確認するための見積書や請求書なども必要です。

借り入れ申し込み時には、書類のほかに借り入れ希望者の電話連絡先と、借り入れ者本人が不在の場合に連絡先となる人の氏名、住所、電話番号が必要です。

公的年金担保融資申し込み時に、取扱い金融機関に年金証書を預ける必要があります。引き換えに「年金証書預り証」が発行されます。「年金証書預り証」は、年金証書返却時に必要ですので大切に保管してください。

申し込み手続き完了後、独立行政法人福祉医療機構によって定められた直近の「お申込み締め切り日」から概ね4週間程度で融資日が設定されます。融資スケジュールはホームページまたは手続きをした金融機関でご確認ください。

公的年金担保融資を受けるためには審査があります。申込書が受理されたことで、かならず融資が受けられるというものではありません。

借入金の返済は、融資金を受け取った月の翌々月以降の偶数月からスタートします。

公的年金担保融資の返済期間中は、借り入れ者の年金を独立行政法人福祉医療機構が年金支給機関からいったん全額受け取ります。独立行政法人福祉医療機構がその中から定額返済額を回収し、残額を借り入れ者の指定口座に振り込みます。

定額返済額は、10,000円単位で借り入れ者が指定します。1回あたりの定額返済額の上限は年金支給額の3分の1以下で、下限は10,000円です。

奇数月に年金が支給された場合は、返済にはあてられません。返済余剰金として全額が借り入れ者に振り込まれます。

偶数月に年金の支給がおこなわれず返済できなかった場合は、次回の偶数月に支払われなかった月の分が返済されますので、その分、返済終了時期が延長されることになります。

返済には定額返済の方法が採用されていますがやむを得ない事情がある場合は、任意繰り上げ返済をすることも可能です。任意で繰り上げ返済を行う場合は、返済が完了したあとに、独立行政法人福祉医療機構が指定する余剰金を振り込みます。余剰金の振り込みが完了するまで、指定預金口座を解約しないよう注意してください。

借り入れは、元金相当額をおおむね2年6か月で返済できるよう返済スケジュールが組まれます。やむを得ない事情により返済が困難になった場合は貸付条件の変更を申請することができます。

変更によって、返済期間を一律3年に延長できます。それによって、最終期日は融資を受けた日から3年を経過する日の直前の年金支給日までになります。

変更後の定額返済額は1千円単位で独立行政法人福祉医療機構が決定します。

貸付条件変更は返済期間中1回しか承認されません。また、貸付条件変更後は任意繰り上げ返済はできません。

借り入れ時に指定した預金口座の解約や変更はできません。また、公的年金担保融資を返済中に追加で借り入れを受けることはできません。

公的年金担保融資の審査などについて

公的年金担保融資の審査は、年金を受給していることなどの要件を満たし、同一年金での借り入れ金残高がないことなど、定められた基準をクリアしていた場合は申し込みが受け付けられます。

公的年金担保融資を受けるときは、連帯保証人が必要です。連帯保証人にも審査基準が設定されています。

審査基準をクリアした連帯保証人をたてることが困難な場合や、借り入れを秘密にしたい場合などは、信用保証機関である公益財団法人融資福祉サービス協会の信用保証制度を受けることができます。利用には保証料が必要となりますのでご確認ください。

年金担保貸付を利用する際の注意点は?

独立行政法人福祉医療機構による公的年金担保融資を受ける際はどんな点に気をつけなければならないでしょうか。

公的年金担保融資は、年金を受給している金融機関を通じてやり取りをする仕組みになっています。そのため、現在、年金を受給している金融機関が独立行政法人福祉医療機構代理店になっていない場合は、該当の金融機関に年金受取窓口を変更する必要があります。

独立行政法人福祉医療代理店になっている金融機関で新たに口座を開設し、年金受け取りのための手続きをするには一定の日にちが必要です。

独立行政法人福祉医療機構代理店になっている金融機関での年金受け取り手続きの完了後に、公的年金担保融資の申し込みをおこないます。

公的年金担保融資の申し込みから、実際に融資をうけるまでは4週間から5週間程度かかります。急ぐ出費に充てるための借り入れの場合は期日を十分ご確認ください。

公的年金担保融資から借り入れを受けた場合、受給すべき年金は、年金支払い機関からいったん、独立行政法人福祉医療機構に直接支払われます。

そのため、介護保険料や、後期高齢者医療制度の保険料、国民健康保険の保険料、個人住民税などを公的年金から差し引くかたちでおさめていた場合は、返済期間中は同様の方法で支払うことができません。公的年金担保融資の返済期間中は各種保険料等を住所地の市役所または町役場に直接支払うことが介護保険法等で定められています。

ご自身での手続きが必要ですので必ず確認してください。

公的年金担保融資を受けた場合、独立行政法人福祉医療機構が年金支払機関から、返済者の年金をいったん全額受け取り、返済額を除いた残額を返済者の口座に振り込む返済方法が取られます。

すなわち、返済完了までのあいだ手元に振り込まれる年金額が少なくなります。借り入れの際は、そのことを十分に考慮し、生活に支障のない金額を借り入れるようにしてください。

一時的にどうしてもお金が必要、そんなときの公的年金担保融資

独立行政法人福祉医療機構が実施する公的年金担保融資は、年金受給者が、入院費や介護費、教育費など一時的にまとまった資金が必要になった場合の強い味方です。

公的年金担保融資は、借り入れ者の年金支給機関から直接返金額を受け取る仕組みになっているため、信用が高く、利率も低めに設定されています。

一方で、独立行政法人福祉医療機構が年金額をいったんあずかり、返済額をのぞいた金額を借り入れ者に振り込むことから、借り入れ者は返済期間中、受け取った時点から年金額が少ないことになります。

公的年金担保融資の返済中は追加で融資をうけることはできません。年金の支給は隔月ですので、返済期間中に予定外の出費があった場合などのことを十分考慮し、借入額を決定する必要があります。

公的年金担保融資は、平成34年3月末を持って申し込み受け付けを終了します。終了にあたり、現行の返済期日の変更などはありません。

この度の新規貸し付け終了にあたり、代替措置がもうけられています。一定の審査要件を満たす場合は社会福祉協議会による「生活福祉資金貸付制度」が利用できます。貸付を検討されるかたは、居住地域の自立相談支援機関にご相談ください。

年金受給者が借り入れできる方法は限られています。どうしても費用が必要になった場合は、無理のない範囲で公的年金担保融資を検討してみてください。

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